「お姉さんが言ってた茶色の髪の子、連れてきたよ」

「…………」



 エリーゼ……では、ない?



 目の前に立っている茶髪の女の子は、瞳の色が茶色い。
 エリーゼなら、私や3兄弟と同じように赤い瞳のはずだ。



 ゲームの最終画面でしか見たことないけど、顔も違う……。
 いきなり最初の孤児院で見つかったかと思ったけど、そう甘くはないか。




「ありがとう。私の知ってる人がいるかなって思ったんだけど、違うみたい。わざわざ来てくれたのにごめんね」

「いえ。おもしろいお話も聞けたし、大丈夫です」


 突然わけもわからず呼び出されたというのに、茶髪の女の子はニコッと優しく微笑んでくれた。
 エリーゼでなく残念な気持ちと、彼女に対する罪悪感で複雑な心境だ。


「あなたと同じくらいの年齢で、茶色の髪の子は他にいないかな?」

「そうですね……。ここには私だけかな?」

「そっか。ありがとう」



 この孤児院にはいないのか。じゃあ、次の孤児院に……。



 帰ろうかと足を動かした瞬間、小さな子たちがガシッと私の両足にくっついてきた。
 みんな目をキラキラと輝かせながら私を見上げている。


「おねえちゃん! もっとお話しして!」
「さっきの話、もう1回聞きたい!」
「かえっちゃやだー」

「!」



 か……可愛いっ!!
 天使がこんなにたくさん……!!