ブツブツ言いながら建物の角を曲がると、少し奥に古い教会が見えた。
この国では、教会の横に孤児院があることが多いのだ。
あった、あった!
もしここにエリーゼがいたら、さっそくゲーム離脱完了しちゃうかもっ。
ウキウキでその教会に向かうと、外で遊んでいる子どもたちが目に入った。
2〜9歳くらいの子どもたちがキャッキャッと楽しそうに追いかけっこをしている。
この孤児院の子たちかな?
あまり人通りのない場所だからか、立ち止まって子どもたちをジッと見ているとすぐに気づかれてしまった。
この中の最年長っぽい女の子が近くまで駆け寄ってくる。
「何か用ですか?」
「あ。えっと……この孤児院に、私と同じ年くらいの女の子はいるかしら?」
「お姉ちゃんと同じくらいの……?」
「うん。茶色の髪の毛で──」
「待ってて!!」
「えっ」
髪の特徴を伝えると、女の子は目をキラッと輝かせて建物に向かって走っていってしまった。
取り残された私と他の子どもたちは、ポカンとしてその後ろ姿を目で追っている。
待っててって、もしかして本当にここにエリーゼが……!?



