「よし! なんとか街に着いたわ!」
初めての外出だけど、ワトフォード家から街まではそんなに遠くないためなんとか迷わず来ることができた。
王都の街の都会ぶりに少し恐縮しているけど、初めての東京に比べたら可愛いものだ。
東京駅の中に比べたら、こっちのほうが余裕な気持ちで歩けるわっ。
賑やかな露店が並ぶ通りをスタスタと通りすぎていく。
すでに行きたい場所は決まっているのだ。
「さあ。まずはここから1番近い孤児院に行くわよ!」
なぜ孤児院に向かうのかというと、ゲームでエリーゼが戻ってきた場面で『記憶をなくして、ずっと孤児院にお世話になっていた』と説明があったからだ。
行方不明になっている間……つまり今、エリーゼはどこかの孤児院にいるということになる。
どの孤児院かはわからないけど、1軒1軒孤児院を回っていけばエリーゼを見つけられるはず!!
エリーゼの身代わりとして引き取られたとはいえ、今の私には協力してくれる使用人はいないし、たくさんの人を雇えるお金も持っていない。
古くさい方法だけど、自分の足で確認していくしかない。
「えっと、さっき街の人に聞いた1番近い孤児院は――……この角を曲がるのかな……?」



