攻略不可能なクソゲーのヒロインに転生していたので、殺される前に離脱したい 〜溺愛ルート? 何それ?〜


「……そうか」



 それだけ言うと、ディランは顔を下に向けて黙ってしまった。
 どんな表情をしているのか見えないため、私の選択が正しかったのかどうかが判断できない。



 ……何? これは良い感じなの?



 目が合わないのをいいことに、ジロジロとディランの様子を窺う。
 ゲームではすぐに反応を示すタイプのキャラだっただけに、この無言の時間がやけに恐ろしく感じてしまう。



 もう! なんなの!?
 このドレスで合格なの? 不合格なの?



「……お前がそんな色のドレスを選ぶとはな。いつもはセンスのカケラもないくせに、今日はどうしたんだ?」


 顔を下に向けたまま、ディランがボソッと呟くように聞いてきた。
 まさかゲーム知識のおかげなどとは言えないので、それっぽい答えを返してみる。


「明るい色だったので、華やかなお茶会に合うのではないか……と思ったからです」

「なるほどな。たしかに、エリーゼもいつもお茶会には明るいドレスを着ていっていたようだ」

「!」



 ……ってことは、これは合格!?



 希望の光が差して、安堵から顔を綻ばせたとき──ディランが顔を上げた。
 心底不快そうな顔をしているディランを見て、一瞬にして希望の光が消え去る。



 えっ……?