エリオットだけでなく、自分やレオンの顔もなかなかにひどい。
これが嫌がらせやわざとでないなら、この女の美的センスを疑うところだ。
いや。手の器用さの問題か?
この画力でよく俺たちの顔を描こうと思ったなと、むしろ褒めてやりたくもなる。
なんなんだ、この女……アホなのか?
このクッキーをエリオット本人にも見せてやりたいが、あいつがこれに対してどんな反応をするかわからない。
本気で怒って、この女をいきなり追い出す可能性もある。
この女が出ていくのは俺にとっても望ましいことだったが、これを理由に追い出すのは気が進まないな。
自分が言い出したこと、自分がエリオットに見せたことが原因でこの女が家を追い出されたら、なんだか気分が悪い。
それではスッキリしない。
それに、レオンに近づいていたことに対する苛立ちも、この爆笑のせいで薄れてしまった。
……まあ、今回は特別に見逃してやるか。
なんとか笑いが治った俺は、何事もなかったかのように隣に立ったままの女を見上げた。
「おい。毒味として、どれか1つお前が先に食べろ」
「えっ? 食べてくださるんですか?」
「? 作らせたんだから、当然だろ?」
何言っているんだ、この女は?



