「……!…咲綺、和菓子が好きなのか。俺と一緒だな。……まぁ俺は普通のお菓子はあまり好みでは無いがな」
口角が少し上がりながら嬉しそうに玲くんが言った。
「そうそう。玲にぃが和菓子好きなせいで、僕たちのおうちには和菓子がいっぱいあるんだよね」
「うんうん。玲にぃの和菓子好きには誰にも勝てないよ。…この和菓子だってほぼ玲にぃが選んだしね」
あきれながら耀くんと滉くんが話していた。
「…まぁな。……それにこの和菓子は俺のお気に入りの店で買ったものだしな。……葉隠亭の和菓子に勝てる和菓子は俺は出会ったことがない」
目をキラキラさせながら玲くんが言った。
「…はぁ……ほらこの通りね。…玲にぃに和菓子の話題を出すと止まらなくなるかもだから気をつけてね。咲綺ちゃん」
「……う、うん」
だ、誰にも引かれなかった。
それどころか耀くんのあきれ声まで聞いちゃった。
玲くん、和菓子好きなんだ……。
耀くんには気をつけた方がいいって言われただけで止められてはいないから、今度機会があったら聞いてみようかな……。
……まぁ、それが''本当だったら''の話だけどね…。
と、思いながら私は和菓子を受け取った。


