『…う、うん。…だって持ってきてって言われたから一応…』
そう言いながら私は自分のバックをあさり、財布を取り出した。
『…じゃ、早く頂戴』
"彼女"はまた手を私の前で広げた。
『……。』
――渡したくない。
そう思い、財布を持つ手をギュッとした。
だけど…
『早く渡せって言ってるの…!』
そう言って"彼女"は私の財布を奪い取り、お金だけもらって私を家から追い出した。
✻*˸ꕤ*˸*⋆。✻*˸ꕤ*˸*⋆。✻*˸ꕤ*˸*⋆。
……やっぱり、ダメだ。
この三人が"彼女"のようなことをするはずがないと思ってはいるけど、それは私の思い過ごしなのかもしれない……。
「……ご、ごめんなさい。…それはちょっと断らせてください」
嫌われちゃうかな…。
乗りの悪い女子とかって言われて、学校中とかに広められちゃうかな…。
そんな暗い考えをしていると…
「……まぁ、男三人もいる家に上がってご飯食べるとか勇気いることだしね。…耀が変なこと言ってごめんね」


