耀くんたちの家で食べる…。
それはいいかもと思った私だったが、"彼女"の言葉を思い出した。
『…はい』
『……なに?この手…?』
"彼女"の手は広げて私の方へと向けている。
『…はぁ…これだからもの分かりの悪い子は…。…だ・か・ら!お金!』
"彼女"は広げた手を主張しながら言った。
『…え…?…おかね…?』
頭の整理が追い付かず困惑している私を置いて"彼女"は話し出す。
『…そう。あんたの分の食事だけでいつもの食事の倍、お金がかかっているの。…だからその分のお金、ちょうだい』
『…え…なんで?』
"彼女"の顔を見てみると、とても冷たい目をして私を見ていた。
少しずつ頭の整理が追いついてきた私はふと思い出したことを言った。
『…だ、だっておばさんからは「たくさん食べてね。遠慮なんかいらないからね」って言われたのに?』
『そう。私のお母さんは優しいから言ってないだけで本当は欲しかったはずなのよ。だから私が代わりにもらってあげるの。……ちゃんと持ってきてるでしょ…お・か・ね。…だって私が持ってきてって言ったもんね』
"彼女"は私のことを見下すような言い方で言った。


