シンデレラのないしょ話 ~悪役令嬢だって恋をする~

「あのね、(ぼく)も役をせおう立場だからわかるんだよ。世の中の人が、役柄(やくがら)と現実の(ぼく)らをごっちゃにして勝手(かって)なイメージを押し付けてくるのをさ」
 
「はい……でも、王子様はいいイメージじゃないですか?」
 
「だからこその辛さもあるんだよ。……皆、(ぼく)のことカンペキな王子様だと思いこんでる。本当はさっき見られてしまったように、まぬけなヤツなのにね」
ウインクしてほほえむ。
 
「でも、その期待(きたい)にこたえないといけない気がして、ずっと気をはりつめてカンペキな王子を(えん)じてきた」
 
「……はい」