(一)この世界ごと愛したい




レンは何故か嬉しそうに笑っていて。


紺碧の瞳が、優しく輝く。




「…相変わらず綺麗な目だね。」


「リンに言われたくないよ。」


「私は別に綺麗じゃないですー。」



レンの瞳と違って、私の瞳はまるで厄災そのものを表すようで。禍々しいだけの異物に過ぎない。


私が自嘲気味に笑うと、レンは溜め息を吐く。






「俺には、綺麗で綺麗で仕方ない。暁の綺麗な空を見る度にリンを思い出す。」


「……。」



あまりの褒めっぷりに、言い返す言葉も見つからない。





「リンは今日、アレンデールに帰っちゃうけど。俺はずっと、リンを想ってるよ。」


「レン…。」








「何年経っても、どこにいても…ずっと好きだよ。」





レンの真っ直ぐな瞳が、私に刺さる。


一生懸命頭を回転させて、何を言ったらいいのか考えるけど上手い言葉が見つからない。





「レン、私…。」


「大丈夫。リンが答えを出せないままでも、俺が勝手に想ってるだけだから。それに、またきっと会えるって信じてるよ。」


「…うん。私の主治医だもん。怪我したらすぐ呼ぶね。」


「怪我じゃなくても呼んでくれたらすぐに行くよ。」