(一)この世界ごと愛したい




そう言って、慣れた手つきで化粧をして。


髪の毛はハーフアップにした上に、なにやら天使の輪っかみたいな物を頭に嵌め込む。




「完成でございます。いかがですか?」


「あ…はい。すごいです。」


「何か気になることがあれば遠慮なく仰ってくださいね。」




鏡で自分の姿を見て、まず思ったのは。


セザール王の神像ってこうなんだーと、他人事のようなこと。




「式典まで少し時間がありますが、何かご要望はございますか?」


「だ、大丈夫です!寧ろここまでお手伝いいただいて本当にありがとうございます。」


「とんでもないことです。では、私は失礼いたします。何かあればお呼びくださいませ。」




このメイドさん、すんごい出来た人で。


距離感が丁度良くて心地良いです。きっとこれも、るうの心遣いであることは間違いない。


私に合うであろう人を見つけてくれたんだろう。