私の手紙に秘められた。
私の想いを隅々まで汲み取ったハル。
「…力って何だよ。」
「とにかくリンに会うのが先だ。お前が何も知らずに済めば…リンはどこにも行かねえよ。」
「……。」
「お前が思ってるより、リンは傷付いてるのは確かだ。限界越えて、それでも戦い続けてんだろ。そこまでリンを追い詰めた俺達の声が、アイツに届くか分からねえけど…。」
るうの頭の中に、ふとアキトの言葉が浮かぶ。
『その重圧を、お前は本当に分かってやれてんのか?』
『覚悟はしとけよ。』
思い出して後悔した時には、もう遅い。
「…リンが、いなくなる。」
「そうならねえように急ぐしかねえ。」
途端に恐怖を感じ始めたるう。
私が離れていくことが辛いと、そう言ってくれたるうを裏切るかのような私の思惑に。
るうは、歯を食い縛る。
そして、宿木である私の元へ。
ただ、そこへ帰ろうとさらに加速する。
「リン…っ。」
るうの私を呼ぶ声が。
ふと、聞こえた気がした。

