(一)この世界ごと愛したい




気合いを入れたはいいものの、一体何をして過ごせばいいんだろう。



休めって言われたし、寝る?


けどお風呂にも入りたいし、食事はどうするんだろう?





「…大丈夫か?」


「え?」



なんだ、るうか…。


敵国で不意打ちはやめてくれ、心臓に悪い。




「この速さでこられるなら、部屋はそんなに遠くなさそうだね。」


「遠いも何も隣だ。」


「そっか。セザールも意外と気がきくんだね。」




この部屋も、浴室やトイレも備え付けられていて意外と快適そうな部屋だ。




「意外と元気そうだな。」


「いや、さっきまで結構へこんでたけど。なんとか吹っ切りました。」


「…それでいい。お前が気に病むことじゃない。」


「それにしても、着替える時間くらいくれてもよかったのにね。」




ママからのドレスが台無しです。


血は完全には落とせないだろうし。このまま置いててもまた思い出しちゃうし。





「俺が預かる。」


「…ありがとう。」