「ああっ…ハルっ!」



「……腹減ったー。」




涙を流して、歓喜するママを横目に。



至って自由なハル。



私とるうの予想通りの第一声を発したかと思うと、すぐに違和感に気付く。





「…リン…って、頭痛え。何だこれ。」



「お兄ちゃん大丈夫!?」



「…アルか?」




大人達の異変には気付かなくとも、小さかったアルの成長には驚く。




それはそうだ。



ハルの時は二年前で止まっている。






「ハル…。とりあえず食事を用意するわね。先生ご指示くださいますか?」


「ああ、本当によかった…。王妃様、おめでとうございます。」




ママとジジイが地下室を一度退室。


アルはハルの目覚めが嬉しくて、ぴょんぴょんとハルの周りを駆け回る。





「お兄ちゃんが起きたー!」


「…アル。兄ちゃん頭痛えからジジイに薬頼んできてくれ。」


「うん!待っててっ!」




アルもママ達の後を追って退室。






約二年ぶりの。


ハルとるうの再会。



感動したものになるかと思いきや、雲行きは怪しい。







「…ルイ。」


「起きて早々俺にキレるな。」




その殺気は全開。



もう触れれば殺されるのではないかと、錯覚するほどの殺意をるうに向けるハル。






「リンはどこだ。」


「元気でやってる。」


「なんでリンがいねえのにお前がここにいる。」


「…説明はする。今はとりあえず落ち着け。」


「じゃあ今すぐリン連れて来い。」




私の安否を確認しないと落ち着くことが出来ないハルに、るうはやれやれと頭を悩ませる。



どうやらハルヘの事の経緯は、父の側近から話をすることが決まっているらしく。何も話す事を許されないるうは、とりあえずこの場を落ち着かせたいと考える。






「とにかく今は落ち着け。リンもお前を待ってる。だからまずは身体を第一に…って、おい!!」


「…嫌な予感がすんなあ。」




身体を無理矢理に起こすハルに、驚くるう。