(一)この世界ごと愛したい




私の手を掴んだままのるうも、また動かない。


謎に沈黙が走る。





「…寝るか。」


「うん?」



と言うことで、大人しく布団に入る私とるう。




「ちょっと時間早かったか。」


「るうは明日移動大変だし早く休んだ方がいいよー。」


「…だな。」




るうは大人しく目を瞑る。






『俺がいなくてもちゃんとやれ。』


さっきのるうの言葉が、私の中で反芻する。





分かってる。



るうはハルの従者であって、ずっと私の側にいられるわけじゃない。


ハルが目覚めればハルのところへ戻るのが理。




それに私は、これから本当に自分の力でちゃんとやらなきゃいけない時が来る。






「…おやすみ、るう。」




私は目を閉じたるうに、そっと呟く。



おやすみと声を掛けたのにも関わらず、るうは再び目を開けたらしい。






「リン。」


「ん?」





「…ちゃんと帰ってくる。」






私の心臓が大きく波打つ。






「…うん。待ってるよ。」


「……。」




るうは何も言わずに私を抱き締める。