(一)この世界ごと愛したい




純白のドレスが血に染まったように。


私の心も黒く染まる感覚を覚えた。




従者としてこの場にいるるうは、どう思っただろう。


呆れてるかな。


いや、軽蔑してるかもしれない。





「陛下、この神の力は既にこのセザールのものです。他国からきた不束者ですが、これからは誠心誠意セザール国のために剣を取りましょう。」


「姫も長旅で苦労をかけたな。今宵はゆっくり休め。」


「お心遣いありがとうございます。」




膝をつき、頭を垂れ、感謝を伝える。


しかしこうまでしてでも、早くこの場を離れたい気持ちが強かった。