(一)この世界ごと愛したい





「で?」


「…それやめない?」


「やめない。何されたって?」



とてもじゃないけど、恋するるうに言うのはそこそこ気が引けます。


大体、アキトは何を考えてるんだ!?




「おいコラこっち見ろ。」


「うっ…。」


「お前はアイツに気を許しすぎ。」



そんなつもりは、ないこともない。


ハルに似ている安心感と。なんでも理解してくれる頼もしさと。アキト特有の包容力。



その全てが相まって、私は知らず知らずのうちにかなり気を許していたのだと。るうに指摘されて初めて気が付いた。




「…アキトって不思議だよね?」


「あの馬鹿さ加減は確かに奇妙だな。」


「馬鹿さ…うん。否定はしないけど。なんだろう。なんか無駄にカッコいいよね。」


「…は?」




そう。カッコいいのよ。無駄に。


馬鹿だよ?救えないくらい馬鹿なんだけどね?




人を惹きつける何か、どうしても目を離せない何かがある気がする。



だから凄い将軍にもなれたんだろうけど。





「…ちょっとだけ、あの愚直さに憧れる。」


「絶対やめろ。アレを手本にするな。大体愚直さで言えばお前も負けてねえ。」


「私は論理的に根拠があることには愚直になれるけど。アキトは違うよ。ただ自分の信念のまま真っ直ぐに進む強さが…私とは違うなって。」





私には持てない強さだなって。


それに強烈に目が眩む。





「…だからかな?」


「へー。それがあればお前は何されたって許すってことね。」


「そ、そんなつもりじゃ…ないけど。」