パパとハルは、どうにかそのことを私に知られまいと気を付けていたことも後々分かった。
私が火龍伝説の話を知ったのは、色変わりする瞳について調べたいと思った時。
偶然にも火龍伝説の書記を王室の中で見つけてしまったから。
パパにはバレなかったけど、ハルには見つかってしまい。怒られたと同時に謝られたのを覚えてる。
「…だからこの力はハルがいる時にしか使わない。世界の均衡も、壊し得る力だから。」
「思ったより壮大な隠し事だったんで、俺は少し申し訳ねえと思ってる。」
「気にしなくていいよ。私はちょっと気が楽になった気がする。」
アキトはさらに抱き締める腕に力を込めてから、そのまま私を持ち上げる。
「あ、アキト…!?」
ストンと、私をベットに置いたアキト。
「逃げたいか?」
「え…?」
「お前にのしかかる色んな重圧を、全部取っ払ってやるって言ったら…どうする。」
そんなことがもし出来るなら。
もし、許されるなら。
私は全てを投げ出して、この広い世界に自由に飛び出してみたいとも…思う。
思うけど…。
「…逃げないよ。私は名将として歴史に名を残したパパの娘で、史上最強の将軍である鬼人の妹だから。」

