「やれ。」
愚王の一声で、私に斬り掛かる兵達。
「……。」
恐らく、数秒の出来事だろう。
反射に近い形で自分に向く刃を全て弾き。
負の感情を感じない程のスピードで、私は全ての兵を斬り捨てる。
戦場で命を懸け合い戦う兵士を斬るのとは訳が違う。
こんなに、胸が痛む斬り合いもあるのだと。
私の考えは甘いと良く周りから言われるけど、こういうことも含めてなんだろうなと…思わされる。
反省しつつも、それでも急所は全員外したし。命に関わる重傷ではないはずだし。そもそも敵国、自国の復讐として成立する話…なんだけど。
…それでも、ごめんね。
「素晴らしい!!!」
自分の兵が傷付いても嬉々として喜ぶこの王は、私の神経を逆撫でするのが得意なようだ。
「これが神の力!私のものだ!!!」
「…陛下、どうやら長期間剣を振っていないせいか少々腕に鈍りを感じました。どうか稽古場をご用意願えませんか?」
「それで鈍っていると申すか!無論、用意しよう!」

