「…よし。この話はもうやめよう。」
そう言ったアキトに。
私もだけど、たぶんレンもお前が言うなと心の中で叫んだと思う。
「で?まだ私に何かある?」
「…ない。」
「じゃあなんで止めたの!?」
「だって次会えるのいつか分かんねえし。」
だからって。
けど確かに次にアキトに会えるのは、私がアレンデールに戻ってからになる。
正直どれくらいで会いに行けるか私も予測が難しい。
「つまり私と離れるのが寂しいってことかー。」
「はあ!?」
「じゃあ満足するまでどうぞー?」
私はアキトに向かって両手を広げる。
どうせレンが大事なアキトが飛び込んでこないことは分かっている。
「アホか!?レンを慮れっつったろ!?」
「どうせ来ないと思ってたよ。じゃあ本当にもう私そろそろ眠いし戻るねー。」
アップルパイを結局ほとんど一人で食べたので。お腹も満たされたことで、眠くて眠くて。
「俺はルイに送れって頼まれてんだよ!」
「じゃあ早く行きましょー。」
「まっじで可愛くねえ!!!」
レンも恐らく眠いんだろう。
欠伸をしながらひらひらと手を振っている。
「レン!お前も落ち着いたら城にこいよ!?」
「…気が向いたらね。」
「絶対だぞ!?」
アキトは最後にレンにも遊びに来いと伝えて。
私はアキトと共にレンの部屋を出る。

