(一)この世界ごと愛したい




本能と言われても、頭が先に動いちゃう私には非常に難しいぞ。



なーんにも考えずアホになればいいのか?




「私には向かなさそう…。」


「こりゃダメだ。レンも何とか言ってやれ。」




なんでレンに振るんだよ。








「俺は、リンが選ぶ道を応援するよ。選ばれたいとは思うけど強制することじゃないしね。」


「……。」


「レンよく言った!!!」




もう勘弁してください。


これ以上私に追い打ちをかけないでください。





「おいリン!聞いてたか!?」


「聞いてたも何も…。」


「え!?まさか知ってた!?」




「…私帰る。」




私はもうどんな顔でこの場にいればいいのか分からなくなり、退散しようと考える。



どうせこれ以上用はないだろうし。




「レンいつの間に!?」


「アキト、俺もう怒っていい?」


「あ、いやいや!待て!リン!!!」




私は本気で帰ろうと部屋のドアに手をかける。






「悪かったって!」


「…いいよ。どうせ私が悪いんだし。」


「拗ねんなよ!」




アキトは帰ろうとする私の手を掴み、再び部屋の中央へ戻す。



いやもう帰らせてよ!!!