レンに怒られているアキト。
私はもうその間に現実逃避に突入する。
アップルパイを無心で食べる。
それはるうの、いつもの美味しいアップルパイで。思わず笑みが溢れるほど懐かしい気もして。
「…るうには、幸せになってほしいな。」
「うわ、フラれてる。」
「そうじゃないけど。るうの幸せって一体なんだろうなって考えちゃうよね。」
私と結ばれることが幸せかと言われると、きっとそうではない気がする。
るうが本当に望んでいるのは、私やハル。そして家族が笑顔で過ごせるように。
それを傍らで見守ることなんじゃないかと、ふと思った。
「お前はなんでも重く考えすぎなんだよ。」
「そりゃ考えるよー。るうとはずっと一緒にいたし、ハルと同じくらい大事に思ってるし。」
「恋愛に情は持ち込むな!!!」
「え、そうなの!?」
恋愛は感情の話じゃないの!?
「情で選ぶな!本能で選べ!!!」
「本能…。」
恋愛って難しすぎる!!!

