「リンー!」
アキトが帰ってきた頃、私はレンの部屋にある珍しい本に夢中になっていて。
レンは自分でお茶を淹れて飲んでいて。
「持ってきたぞ!!!」
「わあ、美味しそうー!」
焼きたてのアップルパイだ!いい香りでめちゃくちゃ美味しそう!!!
思わず本を置いてアップルパイに飛び付く。
「ご飯早かったから実はお腹すいてたんだよねー。」
「アキトこれどうしたの?」
「細かいことは気にすんな!とにかく食おうぜ!」
レンはどうやってアップルパイを入手したのか気にしていたけど、聞かなくても分かる。
「るう起こされて可哀想。」
「なんで分かった!?」
「…他にないでしょ。それにるうには何回も作ってもらってるし分かるよー。」
明日機嫌悪くないといいけど。
私はこんな夜中に叩き起こされて、アップルパイを準備させられたるうに同情する。
「私がアップルパイ頼んだばっかりにー。るうごめんよー。」
「お前等、恋仲でもおかしくねえよな。」
「え…?」
るうと私が、恋仲???
「その顔は脈なしってわけじゃねえんだなあ?」
「なっ…別に私は…!」
「しまった!レンの前でする話じゃなかった!」
完全にタイミングを間違えたアキト。
だって、るうもそうだけどレンからも好きだと言われてる身なんです!!!

