私ドレスだからすっごく動き辛いのよね。 だからと言って、着替えさせてくれる時間をくれそうな雰囲気じゃないんだけども。 「姫に剣を。」 かなり不本意だが。 敵国の兵士に違いはない。未来の敵の数を減らすためと自分に言い聞かせないと。 …私の心が持たないな。 「姫様、どうぞ。」 差し出される剣は、いつになく重くて。 私の身体も通常より数倍以上、動きが鈍る。 「あ…りがとう…ございます。」 心を鬼にする。 神は神でも死神になる。 その覚悟で私はここに来た。