アキトの言う通りハルは本当に最強で。
るうもそうだけど私だって敵わない。
アレンデールはどうしたって戦神の呼び声高い私に目が向きがちだけど、本当に恐ろしいのはハルだと気付いている敵将達は少なくないだろう。
「鬼人が目覚めたら、リンはどうするんだろうなあ?」
「あ?」
「今まで通りにって、お前本気で思ってんのか?」
「…どういう意味だ。」
私とハル。
二人の成長を見守ってきたるうにしか分からない、私達の絆の強さ。互いの必要性。
そして、アキトには見えている。
私の決意と信念。そして垣間見える弱さ。
「リンは責任感が強いって話だ。」
「んなことは知ってる。」
「その重圧を、お前は本当に分かってやれてんのか?」
「だからリンにはハルが…。」
私にはハルが必要だと。
るうはそう言おうとして止める。
それはるうが、目を逸らしてきたことで。分かっていてもどうしようもなかったことで。
そして、意図的に考えないようにしていたこと。
「リンは誰よりも重く捉えてるだろうなあ。」
「…結局なにが言いてえんだよ。」
「覚悟はしとけよって、それだけだ。」
アキトはそう言って、るうの肩にポンッと手を乗せる。
るうはそれを振り払うも、的を得すぎたアキトの言葉に返す言葉が見つからない。
「お、焼けたか!?」
「……だな。」

