(一)この世界ごと愛したい




アキトはそう言われて少し黙って。


そんなるうに真っ直ぐに伝える。




「…俺にはリンを手に入れることは出来ねえ。」


「当たり前だ。」


「それを知ってて本気になるほど、俺は馬鹿じゃねえ。」


「じゃあさっさと退け。」




アキトには、それでも譲れない思いがあるようで。






「俺はリンに、ただ普通に笑っててほしいだけだ。」


「…だから俺にどうしろってんだよ?」




「だからアップルパイを頼む!!!」




結局話は振り出しに戻り、るうはもう盛大な溜め息を漏らす。


アップルパイをどうにか準備したいアキトと、面倒事を回避したいるう。









「…リンが絡んでなきゃ絶対殺してる。」




結果、るうが折れました。