(一)この世界ごと愛したい





「いよっし!ストレートだ!!!」


「…フルハウス。」


「ストレートフラッシュでーす。」




私は全戦全勝。


レンとアキトが二位三位を争っているが、どちらかと言うとアキトが大いに負けている。




「このままだとアキトは私の奴隷になるね。」


「ど、奴隷!?」



お願いしたいことなんて特にないので、とりあえず適当に言ってみたものの。


アキトは絶望の色を醸し出す。




「なんでそんなに弱いのにトランプやろうなんて言ったのー?」


「俺は弱くねえ!!!」



さらなる再戦を繰り返して。


すっかり夜が更けてしまっても、アキトが私の勝利数に追いつけるわけもなく。



私はレンに一度敗れたことで火がつき、怒涛のロイヤルストレートフラッシュを連発。





「…イカサマだ!!!」


「アキトが弱いだけだってー。」



もう華麗なる負けっぷりに、私は面白くて面白くてついつい笑いっぱなし。



そんな私を見て、レンも嬉しそうで。





「もう奴隷確定だけどどうする?」


「奴隷はやめろ!他のにしてくれ!!!」


「うーん。」




アキトにお願いしたいことか。



何かあるかなーと頭をこれでもかってくらい働かせて考える。











「…あ、城がほしい。」