そうだとしても、もう待ったなしだ。
「けど、私は誰にも負けないよ。」
「…ああ、そうかよ。」
アキトは納得こそ出来ていないようだけど、立ち上がり私を見る。
「絶対死ぬなよ。」
「まさか本当に心配してる?」
神でも人でもなくなった私を。
心配するだけ無駄だというのに。
「お前可愛くねえ!!!」
「アキトのお城の場所ちゃんと教えてね。」
「余裕かよ!?」
余裕かと言われると。
「…ほんとはね。」
私はレンとアキトに。
一つだけ、どうしようもないことを伝える。
「負けない自信はあるけど、それが悲しいことだと思ってる。」
二人は意味が分からないといった顔で、頭の上に疑問符を浮かべている。
この炎を持ってして負ける道理はないけれど、私にはそれが悲しいことで。
でもその悲しささえも凌駕する怒りがあるから。
「だから私が負けるなんて、もう万に一つもないよ。」

