私がそう言うと。
アキトは更にダラーンと項垂れてしまって。拗ねているようにも見える。
…マジでそのために呼んだのか?
「アキトとリンに聞いたこと話してたんだけど、聞けば聞くほどリンのことが心配になったみたいで。」
「え?アキト分かってたんじゃないの?」
「大体はな?けど謀反の後にスーザンと交渉なんてそんな上手く行くわけねえだろ!?」
「あー。そこはノリで行こうと思ってる。」
私が心配でわざわざ王都に残って、この話をするために再び王宮へ来てくれたことは嬉しいけども。
そこは実際勢い任せだから、何とも言えない。
「…甘く見積もりすぎてねえか?」
「私、結構用心深いタイプだから大丈夫だよ。」
「どうもまだ俺の知らねえ策がありそうだなあ?」
「…どうだろうね?」
その策は、ハルがいないと使えない。
ハルがここに来てくれる前提の作戦は、確かにある。
私としても最終手段の奥の手。
ハルがそれを許すかどうかは別なんだけど。
「結局ハル頼みになるからね。私としても情けない策なんだけど。」
全然、成長してないって。
笑われそうだな。

