そんなトキの心遣いが嬉しくて。
ありがとうと、素直に受け取ることにした。
「トキも色々助けてくれて本当にありがとう。」
「確かにしんどい戦だったね。あんな肝が冷える戦久々だったし。」
「それはごめんね。」
「…でも、リンにしか出来ない策で。リンにしか勝てない戦をやりきったんだから、それを近くで見られて少し嬉しかった。」
トキはにこりと笑っていて。
認めてもらえたような、頑張ってよかったと思えるような、そんな気持ちが溢れる。
「俺はアキト以外に指揮したい将軍はいないと思ってたけど、リンもありかなって思えたよ。」
「へ…?」
「敵も味方も戦場全てを魅了して、舞い踊る戦い方に俺も思わず魅せられたからね。」
まさかトキに褒められるなんて思ってなくて、なんだか嬉しいし。恐れ多いとも思う。
そして褒めすぎな気もする。
「まあ、俺の言うことちゃんと聞くならって前提だけど。その辺がリンは不安かな?」
「勝手なことばっか言うな。リンはそもそも人に顎で使われる器じゃねえんだよ。」
「だろうね。」
るうが間に割って入りトキに怒るけど。
興味がないわけじゃない。トキの描く基盤で戦ったらどんなかなって好奇心は湧く。
でも、私はもう…戦はしないと思う。
「トキに褒められると嬉しいね。」
「俺に会いたくなったらいつでも俺の城においで?」
「おい、俺の城な!?」
アキトとの約束もあるし、絶対行くよ。
心の中でそう誓って、去り行く二人を見送った…はずだけど。
アキトがダッシュで戻ってきた。
「リン。」
「どうしたの?」

