忙しなく人が出たり入ったりする私の部屋。
レンとアキトが出て行って、すぐにサクを連れたトキが戻ってくる。
「リンちゃん失礼します!」
「どうぞー。サクも色々ありがとね。これで美味しいもの食べさせてもらってねー。」
「めちゃくちゃ嬉しいっす!俺またリンちゃんと戦やりたいんで、力付けときますね!!」
サクは相変わらず屈託ない笑顔で、そんな嬉しいことを言ってくれる。
だけど私と戦に出られることは、もう二度とないだろうと知っている私は笑顔を返すことしかできなかった。
「じゃあとりあえず運んでいこ!」
「はい!」
そう言って宝物を次々に袋に入れて運び出して行くトキとサク。
「るう、手伝ってあげてー。」
「あ?なんで俺が?」
「このペースで行くと夜までかかりそうだよ。」
「…はぁ。」
運び出す先が距離があるんだろう。
往復にかなり時間がかかってそうだったので、私はるうを投入してスピードアップを促す。
なんとか夕方には作業を終えたアキト軍。
アキトもレンと話し終えていつの間にか戻ってきていて、運び出しを手伝っていた。
「はい、これリンの分ね。」
「え?私一個でいいよ?」
綺麗な宝石が付いた髪飾りが二つ。
「どっちか一つは俺からのプレゼント。」
「ほーう、トキに貢がせる女がいたんだなあ。」
「アキトうるさい。リンが一番頑張ってたし、ご褒美だと思って。ね?」

