(一)この世界ごと愛したい




トキに締め上げられていたけど、るうがまた私をトキから離してくれて。


窒息せずに済みました。




「ったく…。」


「リン!ねえ本当に全部いいの!?」


「約束したもん。ちゃんとあげるけど、いらないの一個だけくれない?」


「一個!?一個でいいの!?」



るうのお誕生日があるからね。


お祝いに必要なものを買うのにお金がほしいので、その分だけいただけると嬉しいなと思ってます。




「うん、もうすぐるうのお誕生日だから。そのお祝い用に一個だけください。」


「なにその理由。リン可愛い…間違えた。優しいね!」


「トキ今日は子供みたいだねー。」




もう大はしゃぎなトキさん。


こんなに喜んでくれるなら、私も疲れてる中頑張って仕事した甲斐があったよー。




「これ運ぶの大変だからサク呼んでくる!」



トキはもう落ち着こうともせず、部屋から飛び出して行ってしまった。





「悪いな。金に関してはうるせえんだよ。」


「今日のトキ可愛いね。」


「これでトキの中でのお前の好感度は爆上がりだなあ。」


「今更?約束したの結構前だよ?」



それならもっと早くに爆上がりしてほしかったよ。


そしたら戦中怒られずに済んだかもしれないのにさー。




「あいつは中々人を信じようとしないからなあ。」


「…ふーん。」


「お前も相変わらず他人に興味ねえなあ?」



興味ないと言うか。


知ったところでどうしようもないし。








「あ、いたいた。アキト。」


「レンも来たのかよ。」


「ちょっとアキト借りてってもいい?」



アキトを探してやってきたレン。


二人で話したそうだったので、どうぞどうぞとアキトを差し出す。



トキには後で伝えておこう。