そんなお世辞並べてもらわなくても、ちゃんとあげるのに。寧ろ早く退かしてほしい。



と言うことで、先に恩賞授与のために広間へ向かっていったアキトとトキを見送り。私とるうは部屋で二人を待つことになりました。





「あ、るうもそろそろ帰国の準備始めようか。」


「作戦は決まったのかよ?」


「大体ねー。」


「作戦によっては俺は即戻って来るからな。」




それを戻さないのが、私なんですよ。






「ハルにお迎えに来てもらおうかなと思ってる。」


「病み上がりをか?戦力になるか分かんねえぞ?」




「だからハルが回復するまで待ってる。レンが言うには一日あれば目を覚ますみたいだから、起きたハルと相談してみてくれる?動けるまでどれくらいかかるか何とか私に知らせてほしい。」





嘘です。すみません。


ハルはたぶん動けない状態でもきっと私の元へ来ようとするだろうから、そんなお知らせいりません。





「…ふーん。」


「ハルが無茶しないとも限らないし、私がハルに手紙を書くから。手に負えなかったらそれをハルに渡してね。」


「分かった。」




これでるうは、ハルが目覚めるまでここには戻ってこない。目覚めたら戻ろうとするのをハルに引き止めてもらう。


私はこの会話の中に、細工をした。



普段私の些細な変化にも気付くるうが、私の嘘にこの時注意が向かないよう。


ハルが目覚めるという事実を間で再認識させる。それも一日で薬の効果が出ると言う利点付きで。




るうもハルが大好きだから。


何より嬉しいだろうと考慮された私の仕掛けにるうが気付くのは、ハルが目覚めてからの話。





「じゃあやっぱ荷物まとめとくか。ハルが来るんじゃ、もうまとめる時間もねえな。」


「…確かにね。私のもよろしくー。」


「いつ戻ればいいんだ?」


「んー、荷物の準備でき次第行っていいよー。」