私の質問にレンは驚いて。
一瞬だけ切なそうな顔をして。
そして、すぐに私を抱きしめた。
「…リンはずるいね。」
「ずるい?」
「そんな嬉しいこと言われたら、危険に飛び込むリンを止められなくなる。」
レンはそう言って私を離してはくれない。
これは許してもらえたと思っていいだろうか。
「…それって、アレンデールに帰っても会えるってことだよね?」
「上手くいけばね?内政は私詳しくないから今猛勉強中だけど、王位継承問題もあるし、前途多難に違いないから約束は出来ませんよ?」
「医術制限は父が勝手に法にしただけで、反発してる人も多いから大丈夫だと思うけど。」
レンはようやく私を離して、複雑そうな顔をしている。
言いたいことは分かる。そこで問題なのが王位継承権。次にエリクに回るから意味ないって思ってるんだよね。
「まとめて討つよ、王もエリクも。」
「…あっさり言うね。」
「私根に持つタイプだからね。ノイン軍の残党の件、到底許せそうにないから丁度いい。」
私は聖女じゃないので。
何度も何度も見逃すほど甘くはない。
「王位継承権をスーザンまで回せば、脅しかけたらなんとかなるかなと。現時点では思ってます。」
「…スーザンが王、か。」
「レンまで回してもいいんだけど。」
「絶対止めて。俺は王なんて死んでもやりたくない。」

