(一)この世界ごと愛したい




なんなの。


処刑って言ってたよ!?なんでそんな関係ありませんみたいな顔できるの!?




「私はそれでもハルに薬を届けたいと思ってる。」


「うん、そうだろうね。」


「…なんでそんな平然としてるの?」


「俺は間違ったことはしてない。治せるものを治すのが俺の仕事だしね。」





なんの迷いもない、その紺碧の瞳が。


私にはもうなんとも眩しくて。



微塵の後悔もない、その姿勢が私の勢いを押し殺してしまう。





「じゃあ、もう余計なことは言えないね。」


「余計なこと?」






「…どうにか処刑を止めようと思ってる。」




レンは私の言葉に反応して。


その紺碧の瞳と、私の緋色の瞳が再び交わる。





「父はそんなに甘くはないよ。リンも分かったでしょ。」


「…分かった。分かったから、私ももう中途半端なことはしない。」





口では私を大事だ大事だと上手く言いくるめて。


裏で大勢を殺してしまえる人。




私にももう、迷いはない。











「…家族の命を、奪ってもいいかな。」