「お前迷走してんな。」
「実はかなり。苦手なんだよね、根拠もなければ正解もないものって。」
「リンは頭で考えるタチだからな。」
そうなのよー。
気持ちよりも頭が先に働くのよー。
「でも全部好きは嘘だよね。」
「嘘?」
私はそんなに出来た人間じゃないし。
良い女でもない。
失敗もするし怪我もするし。私から戦を取ってしまえばもう何も残らない自信もある。
「頭は固いし。無鉄砲だし。負けず嫌いだし。」
「そうそうー。」
「心配ばっかりかけるし。女としての教養は皆無。俺の方が出来る。」
「…あれ、割と嫌いなとこ多くない?」
つらつらと不利点ばかり並べるるう。
「それも全部好きだって話だ。」
「……。」
恋は盲目とはよく言ったものだ。
人の欠点さえも、いいように見えてしまう。そして見たくない部分は勝手にシャットアウトされる。
「嬉しいような…悲しいような…?」
「どうせ俺はハルが起きたらお前に手は出せなくなるし。しばらくは特訓してハルに勝つ算段を考えねえとな。」
「鉄の掟の話だよねー。」
ハルに勝たねば、私とは結婚できない。
でも私、もう既婚者か。
「だからあんまり焦るなよ。俺は既に十年待ってる。今から何年延びたって気にしねえ。」
「う…。」

