(一)この世界ごと愛したい




恐ろしいな、アキトって。


やっぱり五万の軍の頂点に立つ男なだけある。





「でも、止めなくていいの?」


「立場的には止めねえといけねえなあ。」


「…そうだよね。」




アキトに止められるなら、仕方ないかなとも思えるから不思議だ。




だけど、譲れない。


ここだけは、何の譲歩もできない。







「止めたいなら、殺して止めてね。」




それならば、まだ諦められる。



ハルには一目会いたかったけれども。相手がアキトならそれも受け入れられる。








「お前は馬鹿だなあ?」



でも、アキトはただ笑ってるだけ。







「俺の立場とお前の信念はなんの関係もねえ。」


「まあ、それはそうだけど。」


「言ったろ、お前は何も間違ってねえって。」




そう言って、ポンッと私の頭に手を乗せた。






「リン。」


「うん?」


「大丈夫だ。何があったって俺が味方でいてやる。」