誰だこいつ。
第三王子がこの場にいないことが分かったので、もう周りをあまり見ていなかったが。
危ない危ない。今は僅かな情報も大事だったんだ。
「えっと…あなた様は…?」
「失礼いたしました。私は第二王子のスーザンと申します。以後、お見知り置きを。」
「スーザン様、どうぞよろしくお願いいたします。」
よろしくなんてしたくもない。
下らないことしか言わないならさっさと消えてほしい。
…けど第二王子ならば、顔は覚えとこう。
「ああ、本当になんと麗しい姫だ。」
「スーザン下がれ。お前には先日他国の姫をやっただろう。」
「父上、あれはもう要りませぬ。この姫こそが私に相応しい相手だ。」
「あの国との条約は反故にはできん。それに嫁の差し替えなど出来ん。他の女とは訳が違うのだ。神への冒涜は許さん。」
うわー。
なんて低俗な会話だ。馬鹿馬鹿しい。

