(一)この世界ごと愛したい




きっと、私が何を言ってるかなんてるうにはさっぱりわからないと思う。



それなのにるうは、私をぎゅっと抱きしめ返してくれる。







「何万回も試した。お前を嫌いになれるように。」


「え…?」


「何万回やっても無理だった。だから何があったって嫌えるわけねえんだ。」




何万回も試させるほど嫌なことしたっけ…?





「ハルのせいでな。」


「…ハル?」






「ああ。それに俺は好きだっつったんだよ。なんで嫌いになる話になってんだ。」






…あ。



そう言えば、そんなこと言われた…っけ。







「……。」


「お前忘れてたな…?」




私は最低最悪だ。



人の告白忘れて嫌わないでって、それはもうお返事してるのと同じか!?




なんだか居た堪れなくなり、私はるうに回した腕を解こうとするが。るうは許してくれない。






「俺は傷付いた。」


「ご、ごめ…っ!?」




謝ろうにも唇を唇で塞がれてしまう。




私の後頭部に回されたるうの手が、私を逃してはくれなくて。


徐々に頭が回らなくなる。







「お前の謝罪は聞かねえよ。」


「っ〜…。」




ようやく離れたかと思うと、るうは謝ることは許さないと何故か怒っている。






「で?」


「へ…?」


「俺はお前を嫌いにならねえ。これで分かったか。」




私はもう、申し訳ないのと恥ずかしいのと色んな感情が爆発しているが。



るうの気持ちは痛いほど伝わったので。





「…わかっ、た。」




頷く選択肢しか、気付けば残されていなかった。