怒りこそ残るものの。
触れた手から伝わる冷たさに、少しだけ冷静になれる私の心。
「…大丈夫?」
「…うん。」
どうにか変色させずに済んだ瞳。
私は一息ついて、そっと目を開ける。
「るう、この書簡誰にもらったの?」
「伝者と偶然会って、直接お前に渡すよう頼まれた。」
つまりセザール王には、私がこのことを知ったことは伝わっていない。
「そっか。」
「読んでいいか?」
「…いいけど、気分悪くなるよ。」
私は一応止めたが、書簡に目を通し始めるるうと。勝手に覗き込むレン。
「おいおい、ノイン軍全員って…。」
「私の最後の認識では半数は残ってたよ。」
つまり、五千人近くの命を奪ったということだ。
処刑された兵たちの痛みを、残された遺族の怒りを、考えるだけで胸が痛む。
それでもクロード将軍は、それを己の責任だと。私は悪くないのだと言ってくれるが。
どう考えたって。
「…私が悪いね。」

