(一)この世界ごと愛したい




そして、第三王子の支度を謎に待つ時間が発生した。



最初っから準備しとけよと、イライラしていたんだけど。まさか態度に出すわけにもいかず。



ニコニコニコニコと、同じ笑みを浮かべ続けてもう私の顔は痙攣寸前だった。





「姫よ、もう少し近くへ来い。」




充分近えよ。


そんなツッコミを心の中で入れながらも、嫌々王へと歩みを進める。





「…まさに女神の化身。」


「恐れ多いです。」


「やはりレンには勿体なかったな。」




第三王子、なんでもいいから早く来い。


仇を目の前にして剣もないため殺せない。ある種の生殺しだ。





「父上、その通りです。今からでもその姫私にくださいませんか?」




会話に割って入って来たのは、これまた性格の悪そうな顔。