(一)この世界ごと愛したい





私の考えは、いつだって国のこと。


国にいる民のこと。




アレンデールにいても、セザールにいても。


その根本は変わらない。





そのためならば、私はこの業火に焼き尽くされても構わない。



ただ、もう一度だけ。






ハルに会いたいと、願うことだけは許してほしい。









「…はる……。」




眠っているはずの私の口から漏れる、ハルを呼ぶ声に。



るうは私の手を握って応える。




「もう少し待ってろ。絶対に会わせてやるから。」





今はまだ誰も知らない。



この結果、るうは自分の行動を後々大いに後悔することになるだろうことに。


そして、胸に秘め続けた私の思いに。るうが気付く日が差し迫っていることに。





…私は薄々と、気付いていた。