(一)この世界ごと愛したい





そして大きく聳え立つ、仰々しい扉の前に立った時ようやく着いたのかと小さく息を吐く。




「陛下がお待ちですので、早速ですが参ります。」


「はい。」



その扉を開けると、中はまた派手に装飾され、王へと続く道に赤い絨毯が敷かれている。



堂々と私はその上を進む。





「ようやくだ…ようやく我が手中に、神の力が手に入った。」



嬉々とした不気味な笑みを浮かべた人が、玉座に座っている。





この男が、セザール王。


この男が、父を殺した仇か。






「…リン・アレンデールと申します。」


「良い、面を上げよ。」



私はベールを取り、隔たり無しにセザール王へ向かい合う。








「これほどに…美しいとは…。」



この場の全員が、息を呑んだのが分かる。