私は握っていた剣から手を離す。
ハルが倒れたこと。
アレンデールが襲撃されたこと。
そして、セザールへ来て。
レンに出会って忌み嫌う戦へ駆り出したこと。
ハルの治療を頼んで罪を課してしまったこと。
私さえ存在しなければ、起こり得なかった。
「…もう、少し。」
ハルに薬を届けて、セザール王を討てば。
それ即ちレンの罪をなかったことにも、繋がりはしないだろうか。
だから、もう少し。
もう少しだけ、戦うことをどうか許して…。
「リンっ!!!」
私を探し出したるうを見て。
涙が溢れるのは、地獄の業火で己を焼き尽くさんとする瞳を鎮火するため。
という名目で。
実は、こんな私を助けてほしいと…心が叫んでいたからだったのかもしれない。

