(一)この世界ごと愛したい





私は握っていた剣から手を離す。





ハルが倒れたこと。


アレンデールが襲撃されたこと。





そして、セザールへ来て。



レンに出会って忌み嫌う戦へ駆り出したこと。


ハルの治療を頼んで罪を課してしまったこと。







私さえ存在しなければ、起こり得なかった。







「…もう、少し。」




ハルに薬を届けて、セザール王を討てば。



それ即ちレンの罪をなかったことにも、繋がりはしないだろうか。







だから、もう少し。



もう少しだけ、戦うことをどうか許して…。












「リンっ!!!」




私を探し出したるうを見て。



涙が溢れるのは、地獄の業火で己を焼き尽くさんとする瞳を鎮火するため。







という名目で。




実は、こんな私を助けてほしいと…心が叫んでいたからだったのかもしれない。