さあ、どうしようか。
答えは至極簡単だけど、今後が面倒なことこの上ないんだよなー。
「…私がエリク様の手を取れば、陛下は確かに咎めないでしょうね。」
「左様。父上は姫を崇拝しているからね。まさに鶴の一声で私は救われる。」
「ならば、答えは否。私はあなたに救いの道を残したくありません。」
迷いなんてない。
エリクに救われずとも、守りたいものは自分の手で守り抜く。
「でしょうね。」
「…じゃあ次は私がお伺いします。」
もう、早く終わらせねば。
私の炎が燃え尽きてしまう前に。
「国に戻り陛下に裁かれるのと、今ここで私に斬り伏せられるのと。どちらがよろしいですか?」
わざわざ聞いてあげる私って優しいなと、自分でも思います。
「…どうやら私の負けのようですね。」
アキト軍が早くも、エリクの私兵たちを崩壊させようとしている。
まじでトキ様様。
「ご自分で王宮へ戻られますか?」
「ああ。君を手に入れる策を、もう一度南の城で練り直すことにしよう。」
「お帰りになる前に、せめてレン様へ謝罪願います。戦を望まぬ人を戦場へ立たせたこと。レン様が許しても私は解せません。」
「ふっ…。私にそんなことを言えるのは姫だけだ。」
エリクは馬に乗り。
一人、王宮へと帰るようだった。
「私が姫を諦めることはないが、嫌われたくはないので今言っておこう。」
「まだ何か?」
「マリナの一件、姫の気を害してすまなかった。」
エリクは私に謝ってくれた。
「謝る相手が違います。レン様への謝罪とは別に、マリナ様へも誠意を持って手を合わせてから城へお帰りください。」

