私に使用するために作られた毒。
それがハルに当たり。
ハルが二年も眠り続けたと。
「美しい物を、美しいまま側に置いておきたい性分でね。」
「……。」
「眠りについた姫を、額に入れて飾りあげたかったんだが。今となっては鬼人に命中したのは不幸中の幸い。」
既に私の瞳は、色が変わってしまっているというのに。
さらに私の瞳の温度が上がるような思いだ。
「…何故、それを私に?」
「レンは解毒薬を完成させたでしょう。」
「……。」
一体、何が言いたいんだろう。
「そのためにレンは死罪になる。」
この男が、何を言っているのか。
私にはもう分からない。
分かるのが、少しだけ怖い。

