じゃあもう、どうすれば決着が付くのか教えてください。
「私があなたを討てば満足ですか?」
「姫に人生の幕を下ろしてもらうのは悪くはない。だが、願わくばまだ姫を手に入れたいと思っているんだ。」
「もう無理ですよ。アキト軍は傷付いていますが、エリク様の軍ともまだ戦えますし、数もこちらが優位です。恐らく勝ち目はないかと。」
いい加減諦めてくださいよー。
往生際悪すぎるってー。
「確かに勝ち目は薄いが、幸運にも思い描いた通りに姫が今ここに一人でいる。」
「まさか私に勝つおつもりで?」
「レンがここ最近、部屋に篭って薬の研究を始めたのは姫の兄上…鬼人を治すため。」
ハルの名前が出たことで、私は反応する。
「鬼人に使用した毒は、名だたる医術師たちに私が作らせたものだ。」
「…毒。」
アレンデールでは、ハルは負傷した傷によって運悪く目が覚めないと。
そういうことになっていたが…そうか。だからレンは、解毒薬だって言ってたのか。
「あれは高性に作られた魔法の毒。
本来、姫に使うために開発させたんだ。」
ドクンと。
胸が跳ねる。

