『…舞え、リン。』
ハルの夢での言葉が。
懐かしく反芻する、その言葉が。
二年前と変わらず、私の闘志に火をつける。
「…しんどー。」
「お前まじで大丈夫か?」
「ヤバそうだったら二人が何とかしてねー。」
るうとアキトに一応保険を掛けて。
「じゃあ、お先に行きますねー。」
私は誰よりも早く飛び出した。
それはもう、私のここ一番の最速で。
実は私、瞳の色が変わった時って本来よりも力を発揮できたりするんですよね。
…誰にも言ったことないけど。
「リンっ!?」
るうとアキトは、飛び出した私に驚き引き留めようとして止まる。
思わず思い留まるほど、私の戦い方に魅せられる。
ハルは私の戦い方を、一種の“舞”と例える。
それはまるで風と一体化するほど軽やかに、美しささえ感じられるほど剣筋が乱れない。
「まじでハルと話してたのか…?」
るうは久しく見る私の本領発揮に未だ驚きを隠せない。
しかし、黙って見ているわけにもいかずアキトと共に乱戦に飛び込む。

