(一)この世界ごと愛したい





「リンさっきのレンにやったの!俺にもやってくれ!」


「…えー。」




アキトが意味不明な発言をして近寄ってくる。




「ちょ、アキっ…!?」




やってくれと頼んだはずのアキトは、有無を言わせず私を抱き締める。



強行突破だなー。





「見ててやる、最後まで。」


「…うん。」




耳元でそう言ったアキトに、小さく頷く。




これが結果、功をなし。


出陣時同様、アキト軍は土壇場で大いに士気をあげる。





「って、お前あっつ!!!」


「……。」




そりゃ、熱あるらしいし。


もう身体全身沸騰するような体温を感じてます。




アキトはあまりの熱さに私を離し、そんなアキトをすかさずるうが殴る。





「いってえ!」


「リン大丈夫か?」


「おい!何しやがる!?」


「うるせえ。」




大丈夫かと聞かれると大丈夫ではない。



流石に立ち止まった行軍に気付かれ、エリクは顔は出さないが伏せた兵たちは一気に走り出してきた。





「おーおー。向こうは元気だなあ?」


「リン…。」





数も多い上に、またエリクの精鋭部隊か?



相変わらず嫌なことするなー。