「リンさっきのレンにやったの!俺にもやってくれ!」
「…えー。」
アキトが意味不明な発言をして近寄ってくる。
「ちょ、アキっ…!?」
やってくれと頼んだはずのアキトは、有無を言わせず私を抱き締める。
強行突破だなー。
「見ててやる、最後まで。」
「…うん。」
耳元でそう言ったアキトに、小さく頷く。
これが結果、功をなし。
出陣時同様、アキト軍は土壇場で大いに士気をあげる。
「って、お前あっつ!!!」
「……。」
そりゃ、熱あるらしいし。
もう身体全身沸騰するような体温を感じてます。
アキトはあまりの熱さに私を離し、そんなアキトをすかさずるうが殴る。
「いってえ!」
「リン大丈夫か?」
「おい!何しやがる!?」
「うるせえ。」
大丈夫かと聞かれると大丈夫ではない。
流石に立ち止まった行軍に気付かれ、エリクは顔は出さないが伏せた兵たちは一気に走り出してきた。
「おーおー。向こうは元気だなあ?」
「リン…。」
数も多い上に、またエリクの精鋭部隊か?
相変わらず嫌なことするなー。

