馬車は国門を通るために停止しただけで、徐行でゆっくり再び動き出す。 セザールの王宮まで、このまま向かう。 「斬られても…は、約束してねえ。」 「今した。」 「屁理屈。」 「もう、引き返せないからね。」 不思議と、高揚している感覚さえある。 次に馬車が止まる時が、開戦の合図。 パパの悔しさも。 ママの悲しみも。 アルの覚悟も。 民の怒りも。 全部私が引き受けた。 この戦だけは、死んでも負けられない。 「リン、頼むから死ぬなよ。」 「私が戦で負けると思う?」